症例報告「膝蓋靭帯炎」理学療法士鈴木

茨城県那珂市後台 小野瀬医院 整形外科 内科 リハビリテーション科 までご相談ください。
今日は症例報告をいたします!
氏名:M様
性別:男性
年齢:60歳代後半
疾患名:左膝蓋靭帯炎
<現病歴>
約10年前から左膝の痛みがあったが、最近になって痛みが強くなってきた為、来院した。歩行時・階段昇降時等の疼痛改善目的にて、リハビリ開始となる。
以前にも、当院にて首・肩・腰のリハビリをしていた。
<主訴>
歩行時、立ち上がり時、階段昇降時に左膝が痛い。特に階段昇降時。
<理学的検査・治療>
初回リハビリでは、階段昇降時に疼痛が出現し、歩行時の動揺も出現していました。特に左膝の曲がりは悪く、踵部臀部間距離は10cm程度ありました。それのせいもあり、歩行時に左下肢をぶん回しているようにも見えていました。
痛みを軽減するにしても、歩容を改善するにしても、まずこの膝の関節可動域を改善させなければと思い、ストレッチを中心に介入しましたが、多少曲がるようになるにしても、すぐに戻ってしまいました。
そこで、色々と検査を行っていくと、膝のお皿の動きが極端に悪い事に気がつきました。それのせいで、膝を深く曲げようとしても、お皿が動かない為曲がらないような状態でした。
それで、お皿の動きを良くする為に、膝のお皿に関わっている筋肉のストレッチやマッサージを施術したり、お皿を皮膚の上から直接つかんで徹底的に動かしたりして、多少お皿の動きを良くする事が出来ました。
患者様が、お宅でもこちらが指導した運動を真剣に積極的に行っていただけていることもあり、踵部臀部間距離は3cm程度まで曲がるようになってきました。
それにより、ぶん回しているような歩容も改善し、「今まで山道のようなところは安定して歩けなかったが、最近は気にならなくなった。」とおっしゃられ、効果を感じているようでした。
今回の患者様は、両膝とも極端に曲がりが悪く、患者様も諦めかけていたのですが「いくつかある膝の曲がりを制限している理由の中から一番影響が強い理由を見つける事が出来、そこを治療する事が出来た事」が良かったと思います。
今後も患者様の希望に応えられるように、しっかりとした聞き取りと検査をし、適切な治療を行い、満足して頂けるよう努めていきます。
鈴木 洋一